余錄翻譯 - 「故不盡知用兵之害者...

Posted by Peter on March 1, 2022

譯文

「故不盡知用兵之害者,則不能盡知用兵之利也」兵書「孫子兵法」上如此寫道。普丁總統雖顯得對戰略很有自信,但我不覺得他知道「用兵之害」。

這段話之前寫著,「兵聞拙速,未睹巧之久也」。進行的戰爭不可進行到「巧之久」– 巧妙的長期戰。拉長時間的戰爭分分秒地剝奪著將兵的士氣,也消耗著國力。

根據西方的預測,從預計兩天就會淪陷的基輔為首,烏克蘭各地抵抗著俄軍的侵襲。美國政府表示,隨著進攻的遲緩,補給方面會出現問題。於是從中誕生了兩國之間的停戰協議。

在此同時,美歐日三國決議將俄羅斯從環球銀行金融電信協會中排除,隨著盧比的暴跌與俄國內對金融的不安,想必也讓俄國見識到了經濟制裁的力道。歐洲各國能從錯綜複雜的利害關係中團結一心也是一項「用兵之害」。普丁雖然意圖著用核威脅來斷開包圍網,但對比從經濟制裁中奪去貧困的國力,核武的恫嚇並未對烏克蘭人民的抵抗力度造成影響。因愚蠢而陷入的窘境,必須避免用殘忍、非人道的方法來解決。

孫子有言「亡國不可以復存,死者不可以復生。故明君慎之,良將警之,此安國全軍之道也。」盼望的兩國間的協議後的即時停戰,或是俄軍的全面撤退。

原文

「用兵の害を知るを尽さざる者は…

「用兵の害を知るを尽さざる者は、則(すなわ)ち用兵の利を知るを尽すこと能(あた)わざるなり」は兵書「孫子」である。プーチン露大統領は戦略眼によほど自信があるようだが、「用兵の害」を知り尽くしていたとも思えない

▲その文言のすぐ前には「兵は拙速なるを聞くも、未(いま)だ巧(こう)久(きゅう)なるを睹(み)ざるなり」とある。仕掛ける戦いに「巧久」――「巧みな長期戦」などはありえないという。長引く戦いは刻一刻と将兵の士気を奪い、国力をどんどん消耗させていく

▲西側の予測では2日で陥落するとされた首都キエフをはじめ、ウクライナ各地で侵攻したロシア軍への抵抗が続いている。侵攻の遅れには補給の問題があるという米政府筋の見方が出ている。その中で始まる両国間の停戦協議である

▲おりしも米欧日は国際金融決済網からのロシアの排除について合意し、ルーブル暴落と露国内の金融不安もさほど時をおかずに深刻な様相をみせよう。利害の錯綜(さくそう)していた欧州各国をたちまち一枚岩に変えたのも「用兵の害」である

▲プーチン氏は露骨な核の脅しで包囲網の分断をはかるが、乏しい国力を奪う強力な経済制裁にも、ウクライナ国民の抵抗にも無力な核恫喝(どうかつ)である。愚かさから陥った袋小路を、残忍さで打開する非道だけは避けてもらわねばならない

▲孫子はいう。「亡国は復(ま)た存すべからず、死者は復た生くべからず。故(ゆえ)に明主(英明な君主)は之(これ)(戦争)を慎み、良将は之を警(いまし)む」。両国間の協議での即時停戦、そしてロシア軍全面撤退を強く求める。

大綱 あらすじ

孫子の名言より、戦争のあるべき様子を述べたが、プーチンは一つとも当てはまらなかった。出兵、抵抗、経済制裁が続いているうえ、一刻も早く停戦、ロシア軍の撤退を求めている。

單字 単語

暴落 ぼうらく / 様相 ようそう / 脅す おどす / 分断 ぶんだん / 陥る おちいる / 打開 だかい / 慎む つつしみ / 

  • 能う(あたう):可能の意を表す。なしうる。できる。理にかなう。納得がいく。適する。相当する。
  • 拙速(せっそく):できはよくないが、仕事が早いこと。また、そのさま。「拙速に事を運ぶ」⇔巧遅(こうち)。
  • 刻一刻(こくいっこく)しだいに時間が経過するさま。しだいしだいに。刻々。
  • ルーブル:ロシア連邦などの通貨単位。1ルーブルは100カペイカ。
  • 一枚岩(いちまいいわ):1枚の板のように平らで大きな岩。また、そのように、組織などがしっかりとまとまっていることのたとえ。
  • たちまち:非常に短い時間のうちに動作が行われるさま。すぐ。即刻。
  • おりしも:[副]《「し」「も」はともに強めの助詞》ちょうどその時。折から。「折しも強風が吹き荒れる」
  • 時を置かず:すぐ
  • 袋小路(ふくろこうじ):
    1. 行きどまりになっている路地。袋道。
    2. 物事が行きづまって先に進めない状態。袋道。「審議は袋小路に入ってしまった」
  • 戒める(いましめる):まちがいをしないように前もって注意する。教えさとす。
  • 乏しい(とぼしい):
    1. 十分でない。足りない。「人材が—・い」「—・い経験」
    2. 経済的に貧しい。「—・い生活」